2016年下半期のw3c/wcag GitHubメモ

WCAG 2.0ノートの本体更新予告やら日本語訳やらTechniques for WCAG 2.0 Public Editors' Draft 19 July 2016に対してissue立てるぞと言ったのでその振り返り。結局このコメント期間で15のissue6のPull requestしか今回出せなかったけど(まあうち1つのPRは8月10日付けになってる気もするけど細かいことは気にしない)、ぶっちゃけこのノートをWCAG WGは積極的にメンテナンスしてないでしょ。内容が微妙なのはコメントをする前から知ってたけど、それにしてもね。

具体的にどういうところが微妙かというと、たとえばH46: Using noembed with embedが2016年にもなって存在している程度には微妙。私の記憶が正しければ、noembed要素は一度たりともHTML標準/勧告に取り入れられたことはなかったはず*1で、当然この要素をHTMLに記述すれば構文違反になる。従って、この達成方法を用いると、WCAG 2.0の原則4を自動的に満たせなくなるという矛盾が生じるはずである…とまあ、こんな感じである。このことを指摘したところ、まるっと削除するみたいだけど。

ほかにも、もういちいち具体例を挙げるのが面倒な程度にはHTML5から見て時代にそぐわないものが散見されるので、指摘できる範囲でいろいろと指摘した。表面上は直してくれてるけれども、根本的な対処が今ひとつといった感触。ちゃんとissueなりを書けばそのまま受け入れられそうな気配はあるけど、物量的に個人であれこれできるレベルじゃない。wide reviewもなにも、internalでreviewしてくれって感じである(だいたいWAIの発行するTRはその品質を信用してないけど)。まあ、EditorのMichael Cooperとか明らかに手が回ってない感じだし(なぜかissueの相手をしてるのがco-chairのAndrew Kirkpatrickで、HTML 5.1へのリンクのプルリクを今はW3C勧告じゃないからというよくわからない理由で蹴り飛ばされたの覚えておこうという程度には*2微妙に話が噛み合わない)、HTML 5.1で思い出したけどLéonie WatsonとかぶっちゃけlongdsecのCfCあたりどうでもいいんで(?)、こっちのほうやってくれませんかねえ。


いずれにせよ、少なくともHTMLに関しては、HTML5の視点で全面的に書き直してくれ、というようなことをw3c-wai-gl@w3.orgに一回書いておくべきなのでしょうが、なぜかHTML5 conference 2016のセッションでなんかやることになったので、スライドを作らないといけないのよね…。

*1:正確にはHTML5でobsoleteとなった

*2:真面目な話、その根拠を示して欲しい