(メモ)EUがWCAG 2.1を採用できるしくみ

JISはISOと協調することになっているけれども、少なくともWCAG方面を見る限りではEUの標準の仕組みはそうはなっていなくて、現にWCAG 2.1を取り入れてるわけだけれども、それってどうして?という話を走り書き程度に。

これについては、W3CのサイトにあるEU Multi Stakeholders Platform for ICT (MSP)の説明が早い。

After several years of negotiations involving W3C staff, the Reform of the European standardisation system by the Council of the European Union (2012) now allows civil servants to use and refer to specifications from open standardization fora and consortia such as W3C, IETF, IEEE, and OASIS in situations involving public funds,

という具合に、W3C仕様を直接参照できるシステムになっていると(まあ身も蓋もないんですけど)。

そういう仕組みもあって、WCAG 2.1 ADOPTION IN EUROPEというアナウンスにつながっていると。

the three official European Standards Organizations (ESOs), CEN, CENELEC, and ETSI,

ただまあ、この辺の3つの組織が並んでいるのもどういうよくわかってないですし(まあ、ISOとIECみたいな関係ではなかろうかという気はする)、EN 301 549の改訂プロセスとかもよくわかってない。さらにEU指令と規格、EU27各国の法律の理解もいまいちで、ちょっと調べただけでは自分の理解に落とし込めておらず。このあたりがまあ欧州らしさなのですかねぇ(てきとう)


まあでも欧州の基準・認証入門ガイドブックを読めば一発かもしれない。JSAのチカラを信じろ(?)

しかし、新型コロナウイルスのせいで気軽に図書館に足が運べないのがネックではあり。


で、最初のW3Cのページに戻るとRolling Planという見出しがあって、これがどうもEUのICT政策の優先順位なんかを示しているらしい。

2020年のものは、2020 Rolling plan for ICT standardisationからダウンロード可能。まあ、この手のものは欲しい情報がだいたいないのだけれども、斜め読みした限りではやっぱりなかった。


ほかに関連するかもしれないリソース

勤務先の新卒研修を受け持った話

昼休み終了から定時までぶっとおしで講義する方もする方で疲れるんですが(もちろん合間合間に休憩は入るわけですが)、受ける方も受ける方で疲れるよなあ、などと。

そんなこんなで研修の準備をしていたので、GAADとかまるっと見てないですし、アクセシビリティの祭典も1ミリも触れてません。局所的に盛り上がってたどころかInternet Watch入りすらしていたmala氏方面の話題もタイムリーに反応できなかった感じです*1。全部コロナウイルスが悪い。

という社会情勢もあって、自分の勤務先ではリモートによる講義という形で行いました。会社側も未知の領域なので手探りで進めてきていると思いますけど、受ける方も大変ですよねえと。

通常通り会社で面と向かって受けてもらっていれば苦労しなかった面もあるとは思いますが、まあそこは一長一短なのかもしれません。

とはいえ新卒の人を相手に喋るという経験は、これまで生きてきた中で(?)実は初めてだったりするので、比較対象を持たなかったりします。ということなので、よくわかんないというのが実情ですけれども。

まあそれはそれとして、講義自体はそれなりに内容を上手く伝えられた……とは一応思ってたりはします(受講者アンケートを額面通り受け取るならば、というところですが)。

なお新卒研修のお題はウェブアクセシビリティでした。まあ、このブログを書いている人が何をしているのか知っている人は、(やるとしたら)ですよねえというところでしょうが、あいにくと?HTMLの講義ではありません。私よりよっぽどHTMLを書いている人が勤務先にはわんさかいるわけですから、そらそうよってところです。

ところで、HTMLはHTMLで、執筆している本のほうですけれども、さすがに新卒研修の準備で筆が止まってました、はい。とはいえですね(何がとはいえなのか)、ごく最近に出版社の中の人が書籍の仮称タイトルに某ソーシャルネットワークサーヴィスで触れてたとおり企画はちゃんと生きていますし、遅々としてではありますが進んでいます。

そして、私の手が止まっている以上に、ドラクエ好きな共著者の手が止まっているという事実があります(どこぞにひっそり公開されているログをひっくり返してもらえばまんざら誇張でもないことはわかると思います)。書籍の刊行に関しては共著者の手の進みにかかっていると言えますので、各方面から共著者に圧力を掛けていただければ幸いです。そうすれば、もしかするとこの夏に出版される運びになるはずです、というかそういう目標でしたよねというのを出版社の中の人とごくごく最近に確認しました。この夏が目標ということを中の人と確認しました。大事なことなので2回言いました*2

その代わりに(?)新卒研修ではデザイニングWebアクセシビリティの名前を連呼しておきましたので、ここはひとつ何卒よろしくお願いいたします、といったところで締めとさせてもらいます。


*1:イムリーに反応はできませんでしたが、新卒研修のネタとしては使わせてもらいました

*2:私自身にもプレッシャーを掛けていくスタイルです