新しい「公用文の作成の要領」と電子文書あるいはウェブアクセシビリティの覚え書き

  • 10月30日付けの共同通信ニュース:公文書の読点「,」から「、」に
  • 1952年の「公用文作成の要領」の通達についてからの見直し
  • 中間報告(案)などについては、国語課題小委員会(第38回)議事次第 | 文化庁から閲覧可能。以下に目に付いたものを抜粋
    • Ⅰ-5 符号の使い方 (1)句読点や括弧の使い方
      • 【】(隅付き括弧)は、項目を示したり、強調すべき点を目立たせたりする 新
      • そのほかの括弧等も用法を統一し使用できる。ただし、むやみに用いない 新
    • (2)様々な符号の使い方
      • 他の符号を用いる場合には、文書内で用法を統一し、濫用を避ける 新
      • 矢印や箇条書等の冒頭に用いる符号は、文書内で用法を統一して使う 新
    • 🈟は、まさかのARIB外字ではなかった…
  • 例えばMS Wordで太字や下線などといった方法でで、周囲とは違う見た目として文言を強調させる方法もあると考えられるが、それでもなお記号類で強調すべき点を目立たせるとするのはなぜか
  • 特にMS Word等で作成した、そのような記号類を含んだ大量の文書が「そのまま」HTML(ないしPDF)化された(というか今でもされている)ときに、JIS X 8341-3:2016の試験で泣きを見るのは官公庁をはじめとする、JIS試験をしているウェブサイトだと思うがいかがか
  • 今後検討すべき課題に関する意見(案)に「やさしい日本語」に言及あり
  • 本筋とは関係ないけど、JIS Z 8301への影響があるかどうか

ウェブアクセシビリティについてとあるツイートを枕にしてつれづれなるままに書いたら最後に政治の話になってた件

書き殴りでロクに推敲をしていないのであんまり真に受けないような方向でひとつ

Twitterネーム@_tsmdさんからっ*1

ツイートがわりかし全方向に向いてたり、ツイートの解釈問題があるとは思うけどもそれはさておき。まあ、いわゆるディレクターなのかヴィジュアルデザイナーなのかマークアップエンジニアなのかっていう職種にも依ると思いますけれども。

やるためのお墨付きがない

というのは多分会社に属していてやりたいんだけれどもやれるフローになってない、って事だと思うんだけれども、それはその組織の風土をどう変えていくのかという話ではなかろうかと。企業がWebアクセシビリティに取り組む価値 - accrefsとか組織導入に奮闘している事例 - accrefsで解決の一端が見えるのではなかろうかと。

どこから着手すべきかわからない、何をすればいいのかわからない

何から手を着けていいのか分からないときは - accrefsで回答が出ているのでは。

要はプライオリティが高くないのである。他にいろんな大事なことがあるから。

いやまあそれはそうなんだけれども、じゃあ制作物あるいは納品物として、どのぐらいの品質を保持して納めますか?ってところに言い換えればいいと思う。例えば納期とのバーターにはなってくると思うわけなんですけど、どんなに急ぎの案件でもかくかくしかじかを満たさなければならないというのはあるかと思うわけで(個人だろうと組織だろうと)。

視覚的に見えればいいってもんでもないでしょう、それでいいならペライチの画像でも食わせておけばいいわけで、って所からでしょうか、下から見上げるならば。

大事さの絶対的指標は特になく、なんとなく決まるのではないか。

それは単にウェブアクセシビリティ観点での品質の基準を組織内なりで検討していないからこそ、なんとなくで決まるんじゃあないですかね。

時間は限られているけれども、個人的な実践といういちばん小さいところから、えらいひとにトップダウンを働きかけてもらう取り組みまでの振り幅がひろすぎて、どうすりゃいいもんだろう。

ボトムアップもしないといけないし、トップダウンもないとなり立たないと思いますねぇ。組織内前提で考えると、その組織の状況にも依るでしょうけれども、まずは味方になってくれる可能性が高い人を巻き込んで行くのが王道では、と。

まとめになってないかもしれない中間まとめ

  • あなたのロール、スキル、組織に属すなら組織の風土…など、様々な前提条件に依ってくるので一概には何とも言えないよね
  • アクセシビリティを品質に置き換えてみましょう
  • accrefsは偉大

  • 単なる思いつきとして、品質っていう意味ではQC7つ道具とかウェブアクセシビリティに適用するとどうなるのかとか興味はあるんですけどね。そもそもソフトウェアにフィットするのかどうかとか、役に立つのかどうかとかは知らんけど。
  • でも定量評価できないと意味がないんだろーなー
  • WCAG 2.xっていう観点だと、エキスパート・ジャッジメントに委ねる部分がでかすぎるのが諸悪の根源では…
  • 機械もっとがんばれ、超がんばれ。

組織内でウェブアクセシビリティに対応できるようにするってのもまあ大事なんですけれども、世の中に目を向けるといかんせんウェブアクセシビリティに携わっているプレーヤーの絶対数が足らないってのがネックだと思うんですよね。本邦の世の中の雰囲気としてウェブアクセシビリティ対応をやらないと大変なことになる、って空気ではないわけじゃないですか。それをどうにかしないといけないというのはまあ、ウェブ業界に転職してから個人的な思いを強くしているわけではあり。

あれですよ、究極的には国民全員がウェブアクセシビリティってものを知っておくべきなんですよ、まあそんな状況はあり得ないと思うんですけど、あるページに対して「アクセシブルじゃない」と気づくとかまあ、どのぐらいウェブアクセシビリティが担保されているかをウェブ制作者だけじゃなくて発注者がわかんないとウェブアクセシビリティなんて向上できっこないわけですよ。

そういう状況に持っていくにはウェブアクセシビリティを考えざるを得ない状況に持っていく、つまるところ法律を作ってかくかくしかじかの場合はほげほげの基準を守った状態でなければならない(shall)、とするしかないわけであり(他に方法があったら教えてください)。

でまあ、そういう政策を作る必要があるわけでして。まあ金になるとか票にならないと政治は動かせないでしょう…。

とまあ、これだけ書いたんですけど*2、どう考えてもウェブ制作会社だけではどうにもならないんで、IT業界全般でうんたらかんたらしないと無理ですね。

デジタル庁がどうなるのとかと絡めて、「日本のインターネットの父」慶大の村井純教授が内閣官房参与に デジタル政策分野を担当みたいなニュースもあるので、乗るしかない、このビッグウェーブにってところでしょうか。

これ読み返したら恥ずかしさのあまり爆発すると思いますが、たまには勢いに任せて書くのもまあいいかなと思いました。

*1:ふいにキヨピーのノリを思い出したんですけど、これが通じるの関西圏だけや…

*2:なもしかしたら前にも似たようなことを書いたかもしれないけど、顧みないことにしておきます