新しいWCAG 2.0解説書がWAICサイトで公開されました

筆者がオブザーバーとして参加しているWAIC WG4の初成果物として、2016年3月17日付けでW3Cノートとして発行されたUnderstanding WCAG 2.0の翻訳がWCAG 2.0解説書として公開されました。

これまで公開されていた解説書は2010年3月27日付けのエディターズドラフトと相当日付が古いものであったため、まずはWAIC WG4が招集された今年4月時点で最新のW3Cノートに追い付こう、という意図のもとでWG4のメンバーで作業を行ってきました。

そのため、このブログエントリー時点で最新のW3Cノートである2016年10月7日付けよりも、1世代古いノートになっています。ただし、原文における3月付けのノートと10月付けのノートで大きな変更点はないと筆者は認識しています。その点ではほぼ最新のノートと遜色のないものです。
なお、3月付けのノートに追い付くことを最優先したため、WCAG 2.0訳との整合性が必ずしも取れていなかったり、表記の揺れがあったりと、訳文そのものの見直しは必ずしも十分ではないのですが、そのことについてWG4では認識がなされています。訳文の精度を上げる作業については、引き続きWG4内で議論される見込みです。


目下のWG4の作業状況としては、WCAG 2.0解説書の更新よりもむしろ、Techniques for WCAG 2.0(WCAG 2.0達成方法集改め、実装方法集)の更新をすべく動いているところです。WAICで公開している実装方法集は2012年1月3日付けで年が明ければ5年前の文書と相当古いものであるため、解説書と同様まずは最新のW3Cノートに追い付く必要があろうという方針です。この作業の副次効果として、解説書からリンクされているにもかかわらず、対応する達成方法の訳がWAICサーバー上に存在しない、という現象を解決することにもなります。

新しいWCAG 2.0実装方法集がWAICでいつ公開できるのかについては現時点で明言できませんが、個人的な予想としては、来年春までには公開できるだろうと踏んでいます、たぶん。


なお、WG4の主査である太田さん曰く、

とのことですので、WAICのお問い合わせの方法で連絡していただけると助かります。