君はISOの代替テキストのガイダンスを知っているか?

代替テキストに関する情報源というと、HTML Standardの記述だったり、W3C EOWGの alt Decision treeだったりなんかが比較的知られているかなと思いますが、それとは別に、ISO TS(Technical Specification; 技術仕様書)*1として、ISO/IEC TS 20071-11:2012という文書が存在する。タイトルとして「Information technology -- User interface component accessibility -- Part 11: Guidance for alternative text for images」とあって、「画像の代替テキストのガイダンス」となる感じですね。

で、その中身ですが、一部をプレビューすることができます。もちろん国立国会図書館関西館に所蔵されています。さらっと読んでみたんですが、longdescっていう文字列が見えたので気力が…。まあ、面白そうなことは書いているんですけどね。しかしISO TSにlongdescへの言及がなされていることを鑑みると、HTML5 Image Description ExtensionW3C Recommendationとして存在するのは、政治的なものがありそうですね(個人の妄想です)。

なお、ISO/IEC CD 20071-11という草案*2が今月に登録されたとISOのホームページでは記されています。遅くても2年後に新しいISO/IEC 20071-11が策定されるのではないでしょうか。なお、審議はISO/IEC JTC1/SC35/WG6(W3Cリエゾン*3)で行われています。JBMIA(一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会)の国内委員会のホームページはあったりするので、多少の情報は得られるかもしれません(得られるとは言っていない)。

で、これISになったらJISになるんですの…?

*1:TSは端的に言えば、国際規格であるISより格が1つ下がる文書。国会図書館 リサーチ・ナビISO規格の説明では、「将来的にISO規格として採用される可能性があるが、標準化の対象が開発途上であるなど、ISO規格として直ちに発行できない場合に発行される文書」となっている。正確な定義はISO/IEC Directives, Part 1§3.1になるはず。まあ、ISとTSでは強制力が異なってくるけれども、その辺はやや脇道。

*2:ISOの策定プロセスは日本工業標準調査会:国際標準化(ISO/IEC)-ISO規格の制定手順を参照

*3:リエゾンの説明は https://www.jsa.or.jp/datas/media/10000/md_327.pdf#page=11 が詳しい