このごろのWAIC WG4の活動について

(このエントリーは、WAIC WG4に所属する筆者が、個人的な観点で書き記したものです。つまり、WAIC WG4の総意でも、ましてやWAICを代表するコメントでもありません。)

2018年3月時点でWG4は何やってるの、というのをものすごく簡単に記しておきます。WG4の現在進行中のタスクとしては、これで
アメーバブログYahoo!ブログ *1がパワーアップすること間違いなしだろうATAG 2.0と、全国のアクセシビリティファン(?)待望のWCAG 2.1の日本語訳作業が進行中です。翻訳作業中のため、まだ様々な問題がありますが、次のURLから作業中の訳文を閲覧することができます。

ATAG 2.0訳
https://waic.github.io/atag20-ja/
WCAG 2.1訳
https://waic.github.io/wcag21/

個人的には、ATAG 2.0は上半期には訳出作業が終わっていると信じたいですね…。

*1:この2つのブログを取り上げたのは、サイバーエージェントさんとヤフーさんがWAIC会員であることによります。もちろんATAGはすべてのオーサリングツールを対象にするものです。

さよならアウトラインアルゴリズム?

whatwg/html#3499でアウトラインアルゴリズムと見出し周りの大幅な変更が提案されている。diffが広範囲にわたっているが、特に変更が激しいのはsection.html(4.3 Sections)で、実際にこのページのdiffによる変更箇所は307にのぼっている。


#3499のメッセージに書かれているを適当に訳すとたぶんこんな感じ:

  • 見出しと見出しのレベルの概念を導入する。
  • アウトラインアルゴリズムを文書見出しコンセプトに置換する。
  • 見出しレベルをスキップせず、見出しレベル1から始まるような文書見出しを要求する。
  • :heading擬似クラスセレクターを導入する。
  • :heading(level)機能の擬似クラスセレクターを導入する。
  • セクションの概念を削除する(h1/hgroupの見出しレベルに影響を与えるために必要な場合を除く)。
  • セクショニングルートを削除する。

"waiting for tests"のラベルがあるので、マージされるのはまだ少し時間がかかるかもしれない。


GitHubの数字を見ても分かるとおり、比較的古い)whatwg/html#83の今年に入ってからの議論をざっと眺める限りでは、Léonie WatsonもSteve Faulknerも好意的な様子であり、個人的にはW3C HTMLでhgroup復活まであり得るかもしれない…と思っている。とはいってもこれはあくまで筆者個人の憶測であり、飛躍している感はあるけれども、いずれにせよ、現時点でのHTML 5.3のpublic draftにあるような、アウトラインアルゴリズムの警告の文言が将来削除されることは容易に予想されよう。