(メモ) 障害者差別解消法/デジタル社会形成基本法案の審議状況と3月の会議録

最近法案のことしか書いてないな…?

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審議概況


デジタル社会形成基本法案 3月の会議録抜粋

○牧原委員 おはようございます。自民党無所属の会牧原秀樹でございます。

(中略)

最後に、デジタル化が進んでかなりいいことが多いと思いますけれども、例えば今オンラインで私もほとんど会議をしておりますが、あるとき、目の御不自由な方が、オンラインでZoomとかで会議をやっていると、じゃ、資料を共有するといって資料がぱっと出てきて、我々から見ると顔がいっぱい映っていたり映らなくさせたりということができて、その資料を見ながら議論ができるんですけれども、目の不自由な方からすると全然分からないと。もちろん、ふだんでも分からないこともあるんですけれども、オンラインの場合の見えなさというのは、ほかに感知するものがないので、より孤立感、孤独感があるんだ、ここを是非配慮してくれという話を伺いました。

そういう、やはり、我々がふだん気づかないような、障害をお持ちだったりする方がデジタル化の中で孤立感あるいは孤独感を深める危険性があるなと、そのときすごく感じた次第でございます。

デジタル化を推進するに当たっては、誰も取り残さないということを一番の柱に掲げられているというのは存じ上げておりますけれども、改めて、平井大臣に、ここはすごく重要なので、御決意を述べていただきたいと思います。

○平井国務大臣 委員の御指摘のとおり、アクセシビリティーの確保というのは、もう一丁目一番地、日本流のデジタル化の一番重要なポイントだと思っています。

今回のデジタル社会形成基本法案では、地理的、年齢的、身体的、経済的な状況その他による機会の格差是正を挙げて、その格差が生じないように必要な処置が講じられるべき旨を定めています。ここはまさにデジタル技術によってカバーしなきゃいけないということだと思っていまして、今回、UI、UXを改善するということを大目標に掲げているのは、そのことも含めて、アクセシビリティーの確保も含めてということだと思います。

特別定額給付金のときに、ネットを通じて一部の方は申し込んで、早くもらえた人がいらっしゃるんですね。めったに褒められることはないんですが、一部、視覚障害者の方が物すごく感謝しているというメールをいただきました。役所に行ったら紙しかないんですが、ネットでいち早く申し込んでお金を早くもらうことができたと。その人はITリテラシーが高いのでそれができたんだと思うんですが、非常にありがたいということを言っていただきました。

あと、視覚障害聴覚障害、いろいろな障害もあると思いますし、ここはUI、UXの改善で相当部分はカバーできるんだろうというふうに思っています。

(中略)

ということで、誰一人残さないデジタル社会の実現に向けた政策をきめ細やかにやっていきたいと考えております。


○平井国務大臣(中略)

結局、今回の改革法案の中に描いている社会像、これは言葉で言うとイメージがちょっといろいろ広がり過ぎちゃうんですけれども、デジタルの活用によって、国民一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができて、多様な幸せが実現できる社会。どのように働くか、どこに住むかというようなこともここに含んでいるわけです。そして、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化というのは、アクセシビリティーとかそういうことを保障した上で、あくまでも今の我々が住んでいる空間に貢献できるデジタル化を進めていこうということで、そういうものはやはり常に民主的に発展するべきものだというふうに考えています。


○平井国務大臣(中略)

デジタル技術を活用すれば、広く多様な国民の意見を効果的に把握するというのができるんですね。今回、法律を作る前に、デジタル社会を形成するための十原則の中で真っ先にオープンと透明というのを、これを掲げたんです。やはりデジタル化というのは、いろいろな社会の意思決定のプロセスを透明化していくのに物すごく寄与すると。

これはぱくったわけではないんですけれども、大臣に就任して最初に設けたのがデジタル改革アイデアボックスです。これはハンドルネームでオーケーで、随分いろいろなものを投稿していただきまして、いいね、悪いねでランクがつくんです。それで、上位から実現しようというふうに考えて、ただ、ここはデジタルに関する政策だけのアイデアボックスですが、PPAPをやめたのもここで上位に、一番上に来たので一気にやめたと。

その他いろいろ御提案をいただいていて、このアイデアボックスをデジタル庁の機能として更に充実させていきたいというふうに思っています。

(中略)

そして、現在取り組んでいるものが政府統一ウェブサイトの構築。これはデジタル庁にとって非常に重要なプロジェクトの一つになると思うんですね。この統一の窓口をつくっていこうということをまず考えています。

何せ、インターネット上の技術者とのコミュニティーも大事にしていかなきゃいけないし、そういう意味では、広く多くの皆さんと常に意見交換できるようにしたいというふうに思っております。


○岸本委員 ありがとうございます。引用者注:国民民主党所属

(中略)

一つはインクルージョンだとおっしゃるわけですね。これはいろいろな、汎用的な考え方ができて、さっきこの委員会でも議論されていましたけれども、デジタルデバイドの話ですよね。デジタルデバイドなんかもインクルージョンで考えていけばいいんだと。高齢者の方がなかなかデジタルを使えないねというのであれば、使えるようにそれはプログラムを変えればいいんだし、使えるように端末を便利にすればいいんだし。

そして、この間の、さっきのマスクじゃありませんけれども、いや、もう使えない人は紙でいいですね、健康保険カードを持っていってキャッシュで払えばいいですねと。元々、マスクのやつは、できるだけクレジット決済、キャッシュレスでやるという発想で始めて、なかなかうまくいかなくて、やはり高齢の方はみんなキャッシュしか、いいという、まだ台湾では。そうすると、いや、それはキャッシュでもいいですよねと。そういう、インクルージョンという、まさに大臣がさっきお答えになっていたような考えでいいと思うんです。

(中略)

まさにインクルージョンと政府の説明責任、デジタル政府をつくっていく中でとても大事だと思うんですが、大臣、いかがですか。

○平井国務大臣 インクルージョンアカウンタビリティーもやはり賛同します。そのとおりだと思います。

全ての皆さんにデジタル化の恩恵を届けるというのがやはり非常に重要なことだと思う一方、オードリー・タンさんも要するにアナログの世界を全く否定していないんですよね。それは我々全く同じ感覚で、こうじゃなきゃいかぬといって押しつけるものではなく、便利なものは国民は使うんだということだと思います。


○岸本委員 ありがとうございます。

本当にデジタル化には与党も野党もありません。まあ、ほとんどの政策が本当は与党も野党もないのでありますけれども、是非、建設的な議論をこの立法府で皆さんとともにやっていきたいと思っています。

それで、少し、今度、副大臣にお聞きしたいんですけれども、まさに今回、平井大臣がおっしゃるように、新しいいろいろな局面に我々国民、政治家も出くわして、その結果として、やはり遅れていたね、不便だねということが分かってきたわけですけれども、特に、このコロナの問題あるいは自然災害の問題、三・一一は十年前ですけれども、その後のいろいろな台風被害などもあります。

自然災害や感染症の流行など、こういう不測の事態に対して、残念ながら、IT基本法を含めて、私たちはきちんとした備えをしていなかったように思うんですけれども、今回の法律改正でどのような対応ができるのか、お答えいただければと思います。

○藤井副大臣 岸本委員御指摘のとおり、近年、大規模な地震、台風、豪雨等の災害の発生や新たな感染症の蔓延など、国民の日常生活や社会経済の在り方に影響を与える重大な事象が発生しておりまして、国民の安全と安心を確保する上で、ネットワークやデータを迅速かつ効果的に利活用することができる環境を整備すること、これは非常に重要だと考えております。

このため、基本法案の第七条におきまして、「デジタル社会の形成は、高度情報通信ネットワークの利用及び情報通信技術を用いた情報の活用により、大規模な災害の発生、感染症のまん延その他の国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生ずるおそれがある事態に迅速かつ適確に対応することにより、被害の発生の防止又は軽減が図られ、もって国民が安全で安心して暮らせる社会の実現に寄与するものでなければならない。」と規定させていただいております。

これは、委員御指摘のとおり、IT基本法では十分に規定されていなかった規定でございまして、災害や感染症にあっても国民の生命と安全を守り抜くことができるデジタル社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

大臣答弁でアクセシビリティって言わせてるやんけ。

わしがアイデアボックスにぶっ込んだウェブ等に関するアクセシビリティの確保を義務づける法律の制定が何かの役に…立ったのかねぇ(謎)


○木原委員長 (中略)

本日は、各案審査のため、参考人として、東京大学大学院工学系研究科教授松尾豊君、弁護士・獨協大学教授・博士三宅弘君、中央大学国際情報学部教授石井夏生利君、専修大学文学部ジャーナリズム学科教授山田健太君、以上四名の方々から御意見を承ることにいたしております。


○松尾参考人 東京大学の松尾と申します。

(中略)

もちろん、行政においても、こういった効率化の余地は大きくあります。

(中略)

これを変えていくためには、やはりデータをどう扱うのかというのが非常に重要な観点になります。データを取得し、データを連携し、活用していくことができれば、こうした業務の効率や利便性は大きく向上します。

しかし、このデータの連携というのは、技術的な問題よりも、むしろ法律やルール面での難しさがあります。

歴史的に見ますと、検索エンジン、これの開発競争において、実は著作権の許可を得ないままクロールしてきてインデックスするということがよいのかどうかという議論が二〇〇〇年ぐらいからずっとありました。これは、グレーな状態で諸外国は技術開発を進め、それがグーグルを始め検索エンジンのビジネスに大きくつながっていったわけですが、日本でこれがきちんと法律ができたのは二〇〇九年の著作権法改正でした。

このことからも分かるように、日本では、やはりグレーなものをグレーなままやるということは企業、国民は好みませんので、きっちりデータの連携に関しても仕組みづくりを早期に進めておくということが必要だと思いますし、それによって柔軟な活用を可能にして、将来の可能性を潰さないような、そういった仕組みをつくっていくことは大変重要だというふうに思っています。

国民一人一人にとっても、こういった仕組みが整っていくことは、仕事の利便性が上がりますし、また、行政サービスの利便性が上がるということで、非常に大きなメリットになるというふうに思います。

そのためには、誰もが使いやすいUI、UX、ユーザーインターフェース、ユーザーエクスペリエンスというふうに言いますけれども、が大変重要です。

今のスマホあるいはその中のアプリは、米国のIT企業によって作られているものが多くて、総じて若者向けに作られています。これは、ターゲットとするユーザーに対してABテストと呼ばれるテストを繰り返し行っていくことによってよりよいものにしていく、そういう方法論がありまして、これが技術的に確立しているわけですが、それをターゲットである若者に対して適用している。 日本の場合は、高齢者を含めた幅広い世代の方に合わせて、きちんと最適化していくということになると思います。さらに、障害をお持ちの方ですとかデジタル技術に詳しくない方、日本語ネイティブでない方など、全ての人が使いやすいように設計していくということは重要だと思いますし、そのために必要な技術ももう十分成熟しています。誰一人取り残さない、つまりアクセシビリティーをきちんと確保した形で進めていくということは、僕は十分に可能だというふうに思っています。

また、人材育成も大変重要です。デジタル社会になるに従って、従来の仕事が変わっていくということは多くあると思います。考えてみますと、駅員さんの仕事、昔は切符を切るということだったわけですが、これが自動改札になって仕事がなくなったかというと、そんなことはなくて、より大きな、駅全体の管理をするという仕事に変わっていったわけです。

これまでも、やはり技術の進歩によって、人間の仕事の内容は変わってきました。デジタル化によって仕事の内容が変化するという仕事もたくさんあると思いますし、また、新しく仕事が生まれるということもあると思います。技術の進化による失業という悲観論が議論される場合もありますが、私は、歴史的に見れば、技術は新しい雇用を生み、人々を豊かにするというふうに思っております。

ただし、取り残される人が出ないようにということは大切で、社会全体で包摂していくということが必要だと思います。そのために、適切な教育、職業訓練をしていくということが必要になると思います。


○山田参考人 専修大学山田健太です。

言論法、情報法制を専門とする立場から、お手元の資料に沿いましてお話をさせていただきたいと存じます。

当該デジタル関連法案は、議事にかかっております五つの法案以外にも、総務委員会で審議予定の地方公共団体情報システムの標準化に関する法律案も極めて密接な関係を持っておりまして、同じ課題を含んでいると考えております。したがって、本日の説明の中にも一部含まれる場合があることにあらかじめ御了解いただければと存じます。

(中略)

「デジタル社会が目指す方向性」というタイトルのこまでありますが、最初にお示ししますこのこまは、今回の法案の前提となります確認事項でありまして、関係閣僚会議でも了解されているものと理解しております。

実際、十の基本原則、デジタル化社会形成の大方針という形で、人間中心のデジタル化、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を目指すというふうにうたわれております。非常にすばらしい内容でして、このゴールを目指して、そして進むべき過程についての説明もなされております。この大原則が守られて法整備が進むことを願っております。


○中山(展)委員 ありがとうございます。 引用者注: 自由民主党所属

次に、三宅先生に伺います。

社会的弱者支援、リテラシーの視点から、誰一人取り残さない、全ての人を包摂する、多様な価値観をインクルージョンする上でのデジタル化について大切にすることは何か、先生の方から御示唆いただければと思います。

○三宅参考人 今日は、個人情報の保護の点について、時間の制約もありましたので限定させていただきましたが。

やはり、デジタルデバイドと申しますか、先ほどのお話にもありましたが、若者向きにできたデジタル化の技術を高齢者また様々な能力に制限のある方々にも及ぼすためには十分な手当てを必要としますので、そういうことも、デジタル庁をおつくりいただけるのであれば、やはり、憲法でいえば健康で文化的な最低限度の生活の保障ということでのデジタル保障、そういう観点を入れ込んでいただかないと幸福な国民生活にならないと思いますので、そういうデジタルデバイドが生じないような工夫も是非、デジタル庁の、また、そこから発せられる各省庁の任務、職務権限の中で十分配慮していただくような方策を条文上にももう少し丁寧に入れていただいた方がいいのではないかなと考えているところでございます。


○古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。

今日は、四人の参考人の皆様、お忙しい中、国会においでいただきまして、貴重な御意見をいただきましたこと、心から感謝申し上げたいと思います。

私たち公明党は、このデジタル化を推進する上で、昨年十一月なんですが、デジタル改革の司令塔となるデジタル庁の創設に向けて提言を出しました。誰一人取り残さない社会の実現というものを訴えてまいりました。誰もがデジタル化の恩恵を最大限に受けられる環境の整備ということが大事なテーマなんだろうというふうに思っております。

まず最初に、松尾参考人にお伺いをしてまいります。

松尾参考人も、先ほども意見陳述の中で、誰もが使いやすい設計、高齢者のみならず、障害を持った方々、全ての人々が使いやすいデジタル技術、設計が必要だということをおっしゃってくださいました。

私も、高齢社会におけるデジタル化ということに取り組んでまいりました。少し前なんですが、二〇一三年に秋田市で、高齢者がタブレットを使って、見守りもする、また地域の情報も得られて、買物とか通院などもできるというモデル事業を行いまして、応援もしてきました。実際、雪の積もった中、高齢者のお宅に伺って、どのように使っていらっしゃるか、それも見てまいりました。大変うまく使っていらっしゃったんですが、結局、これは実証実験で終わって、実用化はできませんでした。やはり、通信料とか費用の面とか、一応、イエデンもあって、テレビもあって、それにプラス通信料、端末を買う、こういうことが難しかったのかなというふうにも感じておりました。

高齢者がデジタル技術の恩恵をあまねく受けていくために、課題また方策について更に御意見をいただければと思います。

○松尾参考人 御質問ありがとうございます。

今御紹介いただきました事例は、大変すばらしい、興味深いものだと思います。

このITの分野、デジタルの分野、そうなんですけれども、例えば、ユーチューブというのが今ありまして、多くの若者が結構夢中になっているわけですが、これがサービスがスタートしたのは二〇〇五年のことです。ところが、一九九〇年代から動画の配信サービスというのは技術的にはあったんですね。日本でもかなり開発されていました。ただ、多くの方のブロードバンドの環境等々が整うことによって、やはり二〇〇五年になってようやくそれがサービス化され、今、二〇二一年になって社会全体に浸透している、そういうことだと思います。

そのことから考えますと、その秋田県の事例というのも先進的な取組ではあるんだけれども、やはり社会の環境の変化、デジタル化の変化というタイミングをうまく見ることによって、もしかしたら、今だったらもっと実用化につながるのかもしれませんし、今、高齢者の方も徐々にスマホを使う方も増えてきたり、子供とLINEをやるとか、そういう方も増えてきていると思いますので、そういう意味では大分整ってきているのかなと。さらには、地域の高齢者の方、デジタルに弱い方に対して、それを教えてあげるような若者との交流とか、そういうサービスとかというのも同時につくっていくとよいのではないかなというふうに思っております。

○古屋(範)委員 ありがとうございました。

今後の取組が大事なんだろうというふうに思います。政府の方も、デジタル活用支援員の事業を二〇年度に試験導入して、二一年度、拡充をする方針であります。デジタルデバイドを生まない取組が必要になってくると思います。

松尾参考人にもう一問お伺いしたいと思います。

先ほどの意見陳述の中でも、デジタル人材の育成について触れていらっしゃいました。デジタル社会形成基本法の中の二十五条にも、人材の育成ということが書き込まれております。

先生は、学生とか高専での教育について先ほど触れられました。私は、それに加えて、今既に社会に出ている人たちを再教育していくリカレント教育も重要じゃないかと思っております。

東大が一〇〇%出資をして、東大エクステンション株式会社をつくられました。昨年末訪問いたしまして、非常に受講者が増えている、また、一番難しい七十時間のコースを出た人は引っ張りだこだということでありました。実は私もその入門のジェネラルコースを実際に受講していまして、東大の教授陣による、どちらかといえばデータサイエンス人材を採用して生かしていく経営陣の講座で、大変勉強になりました。

こうしたデジタル人材の育成に必要な政策、特にこのリカレント教育の重要性、日本で遅れていると思います。この点について、お考えがあれば伺いたいと思います。

○松尾参考人 御質問ありがとうございます。

リカレント教育、大変重要だと思っています。デジタル人材がこれから必要とされていく中で、学生だけではなくて、既に働いている方にきちんとそういった技術、スキルを身につけていただくということは重要だと思います。

例えば、保険の業界にアクチュアリーという職業がありますが、こういう方は、実はAIの素養がすごくあります。同時に、例えば経済学部を出られた方というのも、実は経済学のモデルと機械学習ディープラーニングの考え方は相当近くて、これも非常に可能性があると思います。

そう考えますと、世の中、かなり多くの部分で、実はAIの勉強をすればかなりできるという人が潜在的にはたくさんいるというふうに思っていまして、そういう方も含めて、やはり、大学もそうですけれども、いろいろな教育機関で、もう一回戻ってきてもらって、短時間でもいいですので、そこでまた勉強してもらって活躍していただくということを進めていくということは大変重要かなというふうに思っております。

○古屋(範)委員 ありがとうございました。

もう少し、民間あるいは大学、経済界、こういうところがきちっとタッグを組んで人材を育成していく必要があるんだろうと思います。


○岸本委員 国民民主党岸本周平でございます。

(中略)

○岸本委員 それでは、次に、四人の参考人の方々に同じ質問をまたさせていただきたいと思います。

さっきも申し上げましたが、台湾がこのデジタル政府で非常に進んでおられて、特に今回のコロナ対策、見事にデジタルを使って成功されました。御担当のデジタル担当大臣、オードリー・タンさん、御講演も私も聞きましたし、御著書を読んでも、非常に参考にするべきところはたくさんあるんだろうと思います。

その中で彼女が言っているのは、電子政府、デジタル政府というものに大事なことは二つある、一つはインクルージョン、そして二つ目はアカウンタビリティー、包摂と説明責任ということをおっしゃっていまして、全くそのとおりだなと思います。インクルージョンにはいろいろなものが含まれますけれども。

その包摂と説明責任ということがデジタル政府の肝であるということについて、四人の参考人の方々の御所見と、また、この法案を御覧いただいて、それが含まれているのか、併せてお聞きしたいと思います。

○松尾参考人 御質問ありがとうございます。

インクルージョンアカウンタビリティー、大変重要な概念だと思います。

オードリー・タンさんのことを私なりに拝見して思うのが、非常に若い方で、技術に非常に詳しい、ああいう方が政府のデジタル行政のトップに立つということ自体がやはりすばらしいなというふうに思いますし、年もそうですし、多様性の面でもそうですけれども、やはりああいう能力を持った人を十分に活用していくということがデジタル庁の中でも本当に大事になってくるんじゃないかなというふうに思います。

動画だと全体をさっぱり掴めないので会議録は重要ですね。

国会審議とかまあ注視したことないんですけども、アクセシビリティという言葉が国会の場で出てきている、これは非常に重要な、ターニングポイントになってくるのではないかという(こなみかん)。

帰ってくるHTML Ruby(rb/rtc)要素

fantasaiのツイートをたまたま見かけて知ったわけだけど、ここに来てHTML/CSS Ruby方面が一気に加速していると。

CSS Rubyについては、2020年になって6年ぶりにドラフトが更新され、この3月にも更新がされた。CSSでは何がどうなった、というのはここでは触れない。Change logを追ってもらえればと。

で、HTMLはというと、CSS Rubyのドラフト更新と時を同じくして、Restore the rb and rtc elements and update ruby content model accordingly - whatwg/html#6478のPRが出ている。このPRによるビルドのコピーが読みやすいかなと。

PRの骨子としては、古いW3C HTML 5.1をインポートしつつ、本文と例をガラッと変えてセマンティクスをより良く説明するものにした、とのこと。まだ精読はしていないものの、確かにHTML5で見かけなかったものが見えている気がする。いつにマージされるかはわかんないけれども、めちゃくちゃ遠くはないんじゃないか、というのが個人的な展望。


で、ここまでは前振りというか、上記はまあどうとでもなると思っているので脇に置いて、じゃあWAI-ARIA、HTML-AAMはどうなるのよというのが自分の一番の関心事ではあり。ruby周りに関しては、HTML-AAM(ARIA in HTMLでもよい)を読んでもらえばわかるとおり、今のところデフォルトのロールはない。

w3c/aria#74では、

We don't have consensus on rp , rt and ruby

More details as to what these could map to would be helpful.

という具合に(2018年時点だけれども)、ARIA WGでのコンセンサスが取れていない。

Dupeなissueとしてw3c/aria#488があって、これは[Role Parity] HTML 5.1 Rubyというまさしくそれなissueがあるものの、w3c/aria#529とDupeでは?という話が持ち上がり、#529はaudio/video要素の話になっているんだけども、いやいやそうじゃないでしょう…。

とまあこんな調子なので果たしてARIA 1.3で本当に何か入るのか?というのが怪しいのだけれども、アクセシビリティの観点からはWCAG 2.0 Understanding SC 3.1.6 Pronunciation(日本語訳:達成基準 3.1.6 を理解する)にrubyはクリティカルに効いてくるものなので、WAI-ARIAとしていい感じにしておきたいというのはあるよねと。

ちなみに現時点でのrtの実装は、Firefox+NVDAで読んでくれるけども、Chrome+NVDAでは読んでくれない、といったところ。次の例なんかはルビを読んでくれるかどうかがわかりやすいと思う。

東南たつみの方角

<!-- 現在のHTML Standardの例を改変 -->
<ruby>東南<rt>たつみ</rt></ruby>の方角

WAI-ARIAの観点からはマッピングされたroleがないと始まらないわけで、その上で必要なaria-*プロパティを与えるのが筋になってくるかなと。プロパティについては例えば日本語に限って言えばrtrtcリテラルに「読み」そのものなのか、あるいは「説明」なのか「異なる読み」なのか…みたいなところを分類して、適切なセマンティクスを与えられるようにする…というところからかしら。

なんか名詞があるとして、例えばこんな感じで?(現時点でそんなrole値とかaria-*属性はなく、あくまでブレストレベルのものです。試しに書いてみたものの、もしかして熟語ルビなのかモノルビなのかなどのセマンティクスを与える方が先だったりして。)

<!-- PRのHTMLの例から -->
<ruby role="ruby">
  <rb role="rubybase"><rb role="rubybase"><rb role="rubybase"><rt role="rubytext">jiù<rt role="rubytext">jīn<rt role="rubytext">shān
  <rtc role="rubytextcontainer" aria-phoneme="translate" lang="en">San Francisco
</ruby>
<!-- 支援技術は文脈でわかるんだろうか -->
<ruby role="ruby">
  <rb role="rubybase">放出</rb>
  <rtc role="rubytextcontainer" aria-phoneme="literal" lang="ja-Hira">はなてん</rtc>
</ruby>
<!-- 現行HTML改 -->
<ruby role="ruby">
  <rb role="rubybase">境界面</rb>
  <rtc role="rubytextcontainer" aria-phoneme="description" lang="ja-Kata">インターフェース</rtc>
</ruby>

…いちいちaria-*プロパティとしていちいち属性値を当てていくの、文章の一部でちょこっとならいいけど、大量になるとオーサリングが面倒なことになるのはもはや宿命か。


話は変わって、個人的にはrtc要素で夢が広がっていくのでは?と思ってたり。前述したrtc要素の例(そのもの)をもう一度書くと、

<ruby>
  <rb><rb><rb><rt>jiù<rt>jīn<rt>shān
  <rtc>San Francisco
</ruby>

という具合に、rtcには別の言語を突っ込んでいるのだけれども、これが発音情報でもいいよね…?という発想はどうだろうと。

手の込んだ発音情報を盛るのであれば、Speech Synthesis Markup Language (SSML) Version 1.1(日本語訳:音声合成マークアップ言語(SSML)バージョン1.1)という合成音声のためのマークアップ言語があり、これをHTMLで借用できないかと。

3.1.10 phoneme要素あたりがたぶん求めているもの最も近しく、そのまま埋め込むのにカスタム要素として扱ってしまえば、構文としては何の問題もない。

<ruby>
  <rb>トマト</rb>
  <rtc>
    <ssml-phoneme alphabet="ipa" ph="t&#x259;mei&#x325;&#x27E;ou&#x325;">tomato</phoneme>
  </rtc>
</ruby>

…とここまで書いて、そういえばどこかで似たような話を見かけたなと思ったら、Two First Public Working Drafts for Pronunciationとかあったよね。あと、総務省の電子書籍アクセシビリティガイドラインが斜め上っぽいとかいうのも大昔に書いてたよね…?さっぱり忘れてた。

まあこれに関してはもっと込み入った実装がないとどうマークアップしようがどうしようもないけども。NVDA方面では@24motzさんのSSMLがまとまっているか。

ブラウザーネイティブだと、QiitaのWebページでブラウザの音声合成機能を使おう - Web Speech API Speech Synthesisとかが詳しいか。WICG/speech-api#37とかがそう?(どっちにせよなんもわからん)。

…まあ、SSML方面とかはどうなるのかまるでわかんないですけども、SSMLよりかはARIAマッピングむずかしくなさそうかなとか。

とりとめもないんですけどこのあたりで。