2016年5月のdl要素にまつわるエトセトラ

HTML 5.1周りに先月少し動きがあったのでメモ。

1つは、HTML 5.1仕様でdl/dt/dd要素周りの説明が書き換わっていた。

diffについてはDiff of HTMLsを見てもらうなりするとして、端的に何が代わったかというと、既に本文の書き出しが変わっていて、

The dl element represents an association list consisting of zero or more name-value groups (a description list).

https://html.spec.whatwg.org/multipage/semantics.html#the-dl-element

The dl element represents a description list of zero or more term-description groups.

https://w3c.github.io/html/grouping-content.html#the-dl-element

という具合に、name-value groupsからterm-description groupsというように説明する単語が書き換わっている。(WHATWGの)もともとの説明はやや抽象的であると思ったものの、W3Cによる変更した説明は確かに具体的ではある。どちらの説明がより良いのかという考察はここではしないが、このW3Cによる変更の前後にWHATWGへなにがしかを相談した形跡は、少なくともGitHubのnotificationを見る限りではなかった。これはHTMLの正常な進化なのだろうか、はたまたW3Cが率先してHTMLの方言を作成しているのだろうか。


もう1つは、このHTML 5.1仕様の変更と呼応するかのように、HTML 5.1仕様のモジュールを謳っているARIA in HTMLもdl要素周りに変更が入っている*1。具体的には、次の表に示すようにDefault Implicit ARIA semanticsに変更がある。

2016年3月 2016年5月
dt No corresponding role role=listitem
dd No corresponding role role=definition

dt要素とdd要素にはこれまで対応するロールがなかったが、両要素にロールが割り当てられるようになった。そのこと自体は歓迎すべきだろうが、dd要素にrole=definitionは果たしてそれでよいのか、むしろdfn要素に割り当てるべきロールではないのか。また、role=termこそdt要素に割り当てるべきなのではないだろうか。そうでないとHTML 5.1のterm-description groupsと微妙に噛み合わないと思うのだが。


W3C Web Platform Working GroupというかSteve Faulknerは一体どういう方向に持っていきたいのだろうか…。