ある方面ではおなじみの調査、自治体サイトWebアクセシビリティ調査 2024 – 有限会社ユニバーサルワークスについて、ざっくり眺めた感想とか。
今年5月に公開された「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)」では、実際のウェブアクセシビリティ品質と公開されている試験結果や準拠状況との間に差異があるとの指摘がなされています。今回の調査は、自治体公式サイトにおける試験の実施状況と試験結果に関する書式や記載内容を明らかにし、規格や指針に即していない点、今後の取り組みを進める中で優先してほしいことなどを記しました。
- 書式が使い回されている疑惑のあるページがある
-JIS X 8341-3:2010(旧規格)にあった「等級」*1がちらほら見えている
- 例:和歌山県
- みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024 年版)に「等級」に関する注書きがないのが問題か?(流石に酷か)
- 「JIS X 8341-3 2016 試験実施ガイドライン 2016年4月版」とある
- 例:令和5年度 JIS X8341-3:2016に基づく試験結果 - 福島県ホームページ
- ちなみに現時点では2020年12月版が最新
- チェックツールだけでJIS試験を行っている
- 例:新潟県
- みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024 年版)ノンブル115ページに赤く書かれてはいるが
- 例:新潟県
- 「レベルAA一部準拠」と書かれる。レベルAAの「圧」がある
- 動画だったりの問題
- 頑張っているところはある(例:山形県)一方で、怪しいものもある(例:三重県)
- 障害者基本計画(第5次)にある「動画への字幕や音声解説の付与など」がそもそも形骸化している
- (いいか悪いかはさておき)フランスRGAAのように難しいもの法的な除外事項を設けてしまうとか
- 頑張っているところはある(例:山形県)一方で、怪しいものもある(例:三重県)
まあ、みんなあんまり気にしてないけど、障害者基本計画(第5次)の関連成果目標にも公的機関のウェブサイトの情報バリアフリーに関するJIS規格への準拠率がある以上、「レベルAA準拠」としたい意向というのは避けられないものがあると思っており。そもそもこの目標設定がよろしくないことは繰り返し言っていきたいところ*2。
*1:JIS X 8341-3:2016 解説あたりを参照
*2:現実味を出そうとして「目標を下げる」というのは反発があると思うけど…