これを知ったのは偶然次のツイートを目にしたからなんですけども。
『SVG ではじめる Web Graphics 2016年度版(情報メディア専門ユニットI)』
— 松田直樹(まぼろし) (@readymadegogo) 2017年1月13日
たまたま見つけたんだけど、読み入ってしまった。#SVG https://t.co/C1fSijXyiM
このツイートで取り上げられている文書(PDF)はSVGではじめるWeb Graphics 2016年度版になる。ちなみに、2016年度 情報メディア専門ユニット(セミナーI) - 神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科を見る限りでは、3年次の講義に使われるものらしい。
でまあ中身を読んでみたんですけど、1.1節からしてなんだか微妙で、
Web 上での各種規格は World Wide Web Consortium(W3C) と呼ばれる組織が中心になって制定しています。
SVG の正式な規格書は図 1.2 のページの右側にある CURRENT STATUS の部分の SVG をクリックするとみることができます (図1.3)。
W3Cの発行している技術文書はSpecification(仕様書)ということになっていると思うのですが…。
1.2 XMLとは では、
ワープロなどで文書を作成するとき、ある部分は見出しなので字体をゴシックに変えるということをします。このように文書には内容の記述の部分とそれを表示するための情報を含んだ部分があることになります。このように本来の記述以外の内容を含んだ文書をハイパーテキストと呼びます。Microsoft Wordのようなワープロソフトが作成する文書もハイパーテキストです。
ええっ…なんか文字情報とスタイル情報を分離する、みたいな話とハイパーテキストがごっちゃになってませんか…MS Wordでハイパーテキストというのはたとえば、脚注でジャンプするとかそういう理解なのですが。というか、XMLの説明にハイパーテキストは直接関係ないと思うのですが。
1.3.1 ブラウザで表示する方法では、なぜかIE10が冒頭に紹介されており、そこはせめてIE11にしてあげよう、もっというとEdgeさん取り上げてください…。Opera 12が推されているのはあまりよくわかってないですが、FirefoxやChromeで一部のアニメーション機能が使えない、というのはSMIL方面でしょうか*1。1.3.2 SVGが取り扱えるソフトウェア では、Illustlatorは紹介されてもInkscapeは紹介されないという若干さみしい感じが。
1.4.1 HTML5 までの道程 では、
W3C は文法上あいまいであった HTML4 の規格を厳密な XML の形式に合う形にするために XHTML[38]を制定しました。
HTML4が文法上あいまいだった、だと…HTML4仕様はSGML (ISO 8879)というれっきとした国際標準の応用なのですが…*2
1.4.2 HTML5 における新機能では、
HTML5 では HTML 文書で定義される要素だけではなく、それに付随する概念も含めます。
一体何を言わんとしているのか…バズワードとしてのHTML5のことでしょうか?
フォントの体裁を記述する要素が非推奨となっています。
HTML4で既に非推奨だったわけですが。*3
SVG 画像をインラインで含むことができます。
XHTMLでは元々インラインで埋め込むことができてました(そのためのXML)。ところで、An XHTML + MathML + SVG Profileってドラフトのまま放置されてたんですね…。
唐突に出現するWebStrage(原文ママ)。確かにHTML5で追加されましたが、SVGと関係深いのですかね…。
本題のSVGに入る前にいろいろとツッコミどころがあって、2章にたどり着きませんでした…。いや、SVG教材としては意義があるんでしょうけど、1章を読んだ限りでは残念ながら本題のSVGの説明を鵜呑みにするのは危険、というような感想です。
というか、大学の教材でこれはうーむ。
*1:rikuoさんのツイート https://twitter.com/rikuo/status/820118013395410944 によればその可能性が高そう
*2:「HTML 4は、国際標準 ISO 8879 ―― 文書記述言語 [ISO8879] に適合するSGMLアプリケーションの1つである。」 http://www.asahi-net.or.jp/~sd5a-ucd/rec-html401j/cover.html
*3:http://www.asahi-net.or.jp/~sd5a-ucd/rec-html401j/present/graphics.html#h-15.2.2