10月末に、w3c/ariaにConsider working with PDFA on a PDF-AAM documentというissueが作成されていたという話(完)。
…だけではアレなので、もうちょい補足しておくと、AAM (Accessibility API Mappings)で一番馴染みがあるだろうHTML-AAMは、HTMLの要素とWAI-ARIAのロールとOSのアクセシビリティAPIのマッピングを定義する仕様だったりするわけですが、それのPDF版を作ろうという話になっていると。
実際にPDF AssociationのBridging PDF and Web Accessibilityという記事では、Excelファイルとしてマッピング作業の一部を見ることができます。このファイルの中では、PDFのタグ(PDF 1.7だけでなく、PDF 2.0のタグも含まれる)と、類似のHTMLの要素とWAI-ARIAのロール、そしてOSのアクセシビリティAPIがマッピングされています。
W3CとPDF Associationで著作権の処理をどうするのかという法的な問題をクリアする必要があるけど、そこさえクリアすればたぶんW3CでPDF-AAMが公開されていくことになる…と思われます(PDF Associationで[も?]公開されるかもだけど)。
ただまあ、WAI-ARIAはもともと、HTMLやSVGのようなマークアップ言語のセマンティックスを拡張するために策定されたものではあり、マークアップ言語ではないPDFにARIAの考え方が導入されることになるというのは当初想定していなかったはず。WAI-ARIAがここまで影響範囲を拡げることになるとは、10年前*1には思わなかったよね…。