メモ:我が国の9割以上の学術団体はウェブサイトのアクセシビリティに対するアクションをしていない

元ネタ:CA2040 – 学術雑誌のアクセシビリティ:現状と課題 / 植村八潮 | カレントアウェアネス・ポータル
https://current.ndl.go.jp/ca2040

元ネタの元ネタ:専修大学学術機関リポジトリ:SI-Box 学術情報・コミュニケーションにおけるアクセシビリティの現状と課題 : 学協会を対象とした質問紙調査を通して
https://senshu-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=12916&item_no=1&page_id=13&block_id=21

アクセシビリティ「対応」という言い回しが果たして適当なのかはさておき、元ネタでは、

筆者らは2021年8月30日から9月13日にかけて、学協会1,958団体を対象に、Google Formによる質問紙調査を実施した。うち316団体から回答があり、回収率は16.1%であった。

回答のあった316団体のうち、紙媒体で学協会誌を発行しているのは270団体で、そのうち、アクセシビリティ対応を「している」と答えた団体は18団体にすぎない。

270団体を分母としても、(具体的には何をしているのかはさておき、)せいぜい6.7%しか、なにがしかのアクセシビリティのアクションをしていないということになります。

もう少し詳しいことは元ネタの元ネタにあって、

2.2 アクセシビリティに関するガイドライン等の有無
全体の 316 団体のうち,学協会誌,研究大会,Web サイト等のアクセシビリティに関するガイドラインやマニュアルが「ある」と回答した団体が 6 団体,(以下略)

ウェブアクセシビリティガイドライン等が存在する団体は、2%に満たないという計算になります。

一見Twitterあたりでウェブアクセシビリティについてにわかに盛り上がっているように見えるものの、この紀要論文から考えると、学会の9割以上がウェブアクセシビリティに対して何もしていないと言えることになるでしょう、と。圧倒的にウェブアクセシビリティは認知されていないというのは正しい見方であると思うので、まずはここをきっちりおさえる必要があるでしょう…。

それはそれとして、この紀要論文の著者も、緩やかにウェブ業界で合意が取られていると思っているウェブアクセシビリティと同じものを思い描いているかというと、怪しい面はありますが…。

ウェブ業界が各方面に働きかけていく必要もあるでしょうけども、まずはJSTが頑張らないとどうしようもないのでは?という気もしたりしなかったりしますが、はてさて。